Freddie King - 1934-1976

 個人的にはブルースの3大キングの一人であるフレディ・キングがもっとも好み♪ まぁ、所詮ロック上がりなのでテキサスブルースが好きなんですよね。

 一番のお気に入りはシェルター時代の作品で、アルバムと云うよりもベスト盤「The Best of the Shelter Years」が聴きやすいんじゃないかな。こいつで聴けるブルースギターは俗に言うスクィーズギターって呼ばれるんだけど、ロック畑からするとクラプトン、レイ・ヴォーン、マイク・ブルームフィールドあたりとほぼ同じフレージングがバシバシ飛び出してくる素晴らしい本物のロックブルースが聴ける…っていうかテキサスの血なんだろうなぁ。「Going Down」なんかは馴染みが深い作品だろうけど、「Reconsider Baby」とかのスローブルース系も凄くいいんだよね。黒人って感じがあまりしないので、逆に本当に黒人ブルースの好きな人はちょっと違うんじゃない?って思うのかもしれないけどさ、やっぱロックなんだもん(笑)。「I'm Ready」なんかも有名だけど、ここで聴けるのは凄いハートに直接入り込んでくる熱い伸びやかで艶のあるギターのプレイと音色が色っぽくてたまらん。

 もう一つ、彼の最後の遺作となった「The Best OF Freddie King (1934-1976)」も実にノビノビとした素晴らしいプレイが聴けるし、何と言っても後半ではクラプトンとのセッションが聴けるってことで重宝するし、フレディ・キングの豪快な性格をも物語っているアルバムでしょっちゅう聴いていた。ん〜、もっともっとブルースが聴きたくなってきたぞぉ〜♪

Freddie King - Larger Than Life

Larger Than Life アグレッシヴなギタープレイでグイグイとロックファン…ロック小僧を惹き付けてくれたのがフレディ・キング。この人は1976年暮れに42歳という若さで亡くなっており、ブルースマンの短命さを物語っているというのか、それでこそブルースマンというべきか、やはり滅茶苦茶幸せな人生というわけでもなかったようだけど、うん、そういうもんなのだろう。

 1975年リリースの生前最後のレコーディング作品としてリリースされたアルバム「Larger Than Life」を引っ張り出してみた。他にもフレディ・キングの作品は当然いくつもあって、結構聴いていたりしててやっぱりシェルター時代が一番好きなんだけどさ、その他のってあまりしっかり聴いてなかったりしたのでここのところチョコチョコとつまみ食いしててね、その中でこの遺作ってのが結構面白くて…、というかリリースされた当時、そして今でもあまりブルースファンには好まれない作品だし、フレディ・キングのキャリアを語る中でもRSO時代は割とないがしろにされているケースが多くてんで。最後の最後となった「Freddie King (1934-1976)」ってのは割ともてはやされるんだけどこの前の「Burglar」と「Larger Than Life」はあまり着目されない(笑)。

 そんなことで敢えて着目してみた…。うん、全然悪くないじゃん、これ。そりゃそうなんだけど、音のアレンジが非常にソウルフルというのかディスコでもかかるようなアレンジになっているっつうか、音もそういう雰囲気になっているってのもあるのでファンからは割と敬遠されてしまうっていうのがよくわかる。ホーンセクションとかもゴージャスな感じではなくってアクセント的にダンス調に使われていたりね。今となっては全然ハマっているし、面白いんだけどピュアでアグレッシヴなブルースギターを期待していたブルースファンは引くかな。言い方を変えればこれもまた新たな領域の拡大に挑むフレディ・キングの姿とも云えるね。

 でもさ、当然ながらギターはバリバリに弾いていて、それがまた相変わらずなのでやっぱり凄いワケさ。うわぁ〜、こんなギター入ってくるんだ〜と感動するもんね。そして歌声もあの覇気のある元気な声で全然いいじゃんね。どうやらスタジオ録音テイクとライブテイクが混在しているアルバムで、そのスタジオテイクはあのマイク・ヴァーノンがプロデュースしてるとか。この人、ブルーホライズンレーベルの人ね。フリーとかも思い切り関係してる人。

Albert Collins - Live From Austin Texas

Live From Austin Texas (Ac3 Dol)  リアルな世界でもロック好きってのはあちこちで広がっていくワケで、先日も新たなるメンツと飲みに行ったのだがそこでの自分のお薦めとして取り上げたのがフレディ・キングとアルバート・コリンズでした。いや、その方がツェッペリン大好きっつうので、んならばきっとこの辺のモノホンブルースも気に入るんじゃないかと言うことでお薦めしました。案の定ハマってくれたらしいので、次回が楽しみなのだが(笑)。

 そんなことで、別にどれでもいいんだけどGWにはたまたま別のライブDVDを見ていて、やっぱり凄い〜って思っていたので、何でも最近リリースされたらしい88年のオースティンのライブDVDあたりを挙げときますか。多分どのライブを見ても聴いても似たような曲とプレイでガシガシ攻め立ててくれるので、そんなに変わり映えはしないと思うんだけど、実に良い〜音です。正に「マスター・オブ・テレキャスター」と呼ばれるに相応しい人で…、ん?これがテレキャスの音か?って言われると実に疑問なのだが、どう見ても普通のテレキャスでこんなに真のある太い音を出してくれてくれてるんだから不思議。しかも5カポか7カポという変態的なカポの位置で、そして多分身長は2メートル近くあるんじゃないだろうか?ものすごく背も高いしカラダがでかいし、何よりも指と手のでかさもハンパじゃなくって、圧倒的な威圧感です。

 そして脇を固めるのは相変わらずのメンバー+A.C.リードのサックスがこれまた脳天気なブギにはハマっていてねぇ。ブルース界広しと言えどもサックス奏者がバンドメンバーにいるのはこの人くらいなもんでしょ。聴いていてなんら違和感ないから面白いけどね。ライブ中にアルバート・コリンズのギターの音って結構変化していって、サックスが入ってくると自分のいつもの太い音からちょっとサックスに近いようなトーンの音になるんだよ。まぁ、普通のテレキャスっぽい音なんだろうけど。

 80年代に出てきた大器晩成型のアルバート・コリンズ、90年代にはゲイリー・ムーアとのセッションが有名で、その他にももちろんベックやクラプトン、BBキングやアルバート・キング、バディ・ガイからロイ・ブキャナン、レイ・ヴォーンあたりまで幅広くセッションしてる。You Tubeで検索するとそんなのがいくつもヒットするので相当楽しめるけど、まとめて編集したDVDでもリリースされれば更にお得なんだけどな(笑)。

Albert Collins - Live 92-93

Live '92/'93 同じギターでこうもスタイルが違うかと言うくらいに対極に位置している思い切り黒人ブルース…でもモダンブルースやデルタブルースではないからまだ近い領域かもしれない(笑)。テレキャスターを右肩に掛けて7フレット目にカポして超ワイルドに指で弾きまくるデカい黒人、アルバート・コリンズ。この人が亡くなったのも実に惜しいよなぁ…、そのちょっと前くらいに日本に来ていたんだよね。見たかったなぁ〜。

 そんなことで思い切りヘヴィーっつうか人間臭さ丸出しのライブアルバム、しかも晩年のライブ集大成とも言える「Live '92/'93」という作品だ。リリースは1995年なので当然没後のリリースだが、このジャケットが実に良いと思いません?こういう渋いセンスはアメリカならではで、まぁ、ロック系で言えばブルース・スプリングスティーンなんかと同じ男臭さっていう世界なんだろうけど、良いじゃないか、かっこよいし、そのかっこよさの中にはどこか男の香りがある、ってもんだ…、とは男の勝手な意識か?ま、なんでもいいんだけどさ(笑)。

 うん、あちこちのライブ録音素材から引っ張ってきたものらしいので、曲順とかは別にこだわりないんだろうけどこの人もこれくらいになると色々なライブアルバムがあったりするが、ほとんどいつも似たような曲が並ぶのが常で、このアルバムも大体似たようなものが並んでいるので曲そのものにはそれほど注意を払って聴いてはいないんだけど、初っ端「Iceman」はテーマみたいなもんで、もう始めからバキバキのテレキャスサウンドでいきなりハートに刺さるサウンドがガンガン来る。その後はすぐにソフト&メロウなアドリブ重視の11分弱にも渡る曲で、こういう曲での音使いってホントに本能的に巧いよなぁ…。ハードにバキバキってしながらメロウにやんわりと、ブルースメン曰く「ギターはオンナを抱くように可愛がるのさ」ってなことを見事に音で聴いていてもよくわかるくらい多様な触れ方をしていてそういう意味では非常にいやらしい…、でも凄く温かみがある心地良さ。その温かさが良いんだよね、ブルースってのは。特にこの人は普段のギターがシャープで尖ってるから余計にそう思う。

 ブギありシャッフルあり、そしてこの人のバンドの特徴でもあるけどホーンセクションはもちろんながらA.C.リードのサックスが結構メインに据えられていて、パーティバンド的なものでもあるけど、毎度のことながらお遊びが面白い。サイドギターの人、名前調べてないけど結構良い味でギター弾いてて、アルバート・コリンズと似たようなフレーズを結構キメてくれるし、面白い。しかし…、「Frosty」なんて毎度の曲ながらもやっぱり弾きまくっててクラクラするわ(笑)。

 キャリアは古くてデビューも古かったんだけど一端ブランクがあって、主に目立ち始めたのは80年前後くらいからという遅咲きブルースメンだけど、当然ホンモノのスジはしっかりある人でロックにも多大なる影響を与えているしロックに影響も受けている人で、バディ・ガイなんかとも双璧を張るかもしれん。まぁ、この手のギターはフレディ・キングあたりからなんだろうけどね。でもアルバート・コリンズ、かっちょよいっ! 

Albert Collins - Ice Pickin'

Ice Pickin' 久々に本物の黒人ブルースを聴いてみようかと…、ってもやっぱりロック好きにはこの辺からなんだよ、ってことでアルバート・コリンズです。テキサスのとんでもなくクールなギター弾き。テキサスブルースってブルースの中では一番好きなので、色々発掘したけどアルバート・コリンズが一番好み。後はフレディ・キングとかね。結構アルバート・コリンズのレコードとかCDとかちょこちょこと見かけたら手に入れたりしてたので割とあるんだよな。集めるっていう気はあまりないんだけど、見たことないジャケットだとつい、ね。

Albert Collins - Ice Pickin' Ice Pickin'
Albert Collins - Frostbite Frostbite

 「Ice Pickin'」1978年アリゲーターからのリリースで、アルバート・コリンズがアリゲーターレーベルからリリースした一枚目の作品。この人不遇な人で、60年代中期にアルバム出してたりしたんだけどその後しばらく契約がなくなってライブだけで生活してたのかな?まさか音楽だけってこともないとは思うけど。それでもウワサは広がるモノでアリゲーターが獲得しに行って出したアルバムが「Ice Pickin'」。60年代のアルバート・コリンズのアルバムと聞き比べても雲泥の差があるくらいに伸び伸びとギターを弾いて歌っている。

 なんつってもだ、チューニングはFmだしカポはいつも7カポくらいにあるし、ストラップは右肩から掛けてるし、指で弾きまくるしとイレギュラーな弾き方ばかりする人でインパクト抜群。しかもテレキャスしか使ったの見たことないくらいにテレキャス。それでこんなにぶっといサウンド出すのか?ってくらい最高に痺れるギタープレイ。一音一音が魂の叫びでしてね、こんなに感情湧き出るのって何でよ。ブルースギタリスト全般に言えるんだけどさ、これはもう黒人だからとかそういうレベルの話なんだろうな。練習して出来るモンじゃないだろ、と最近は思う。そこへ行くとベックはやっぱ凄かったが…。

 アルバム全体感としてはですね、まぁ、やっぱり弾きまくりってんでもなく、メロウでもなくバランスがよく取れてて、全然飽きないし、ギター的にも勉強になるし曲の良さとかってのはなんとも言えないけど、アルバート・コリンズの音の特徴の一つにA.C.リードというサックス奏者を従えているってのがある。「Ice Pickin'」でもしっかりと活躍していて、アルバート・コリンズの向こうを張るサックスを聴かせてくれたりするのも良いね。

 しかしまぁ、久々のモノホンブルースはやっぱり自分的にも原点です。成り切れないけど原点でして、しっくりくる音世界。つい茶色いお酒が欲しくなります(笑)。ちなみに自分が一番好きなのは「Frostbite」かねぇ、やっぱ。

Albert Collins - Truckin' With

Truckin' with Albert Collins 意外なことにブルース。しかもアルバート・コリンズっつう大御所で暑苦しい人ではあるんだが…、テキサスのブルースメンで割と遅咲きなんだが、これまた熱いブルースギターを弾いてくれる80年代の作品が好みなんだけど、聴いていると色々と集めてしまうもので、最初期の60年代前半にリリースしていたシングル?を寄せ集めたアルバム「Truckin' with Albert Collins」で。

 この人は最初から「Frosty」という曲のせいか、「アイスマン」とか「フローズン」などという氷とアイスをイメージさせる面をトレードマークとしていて、雪だったり曇った息だったり、寒さというモノを連奏させる曲やジャケットが多い。もちろんプレイは滅茶苦茶熱いんだけど、そのギャップが良いんだろう。そしてこの寄せ集めのアルバムは1969年になってリリースされたもので当時はほとんど見向きもされなかったらしい。それもそうだ。ほとんどの曲がインストで、ブルースというジャンルに囚われることもなく、かなり多用なリズムや曲調で遊んでいるから捕らえどころがないという感じだろうなぁ。それでもギターは相変わらずの個性が出ているので面白いし、やっぱテレキャス〜って音だし。

 初っ端の「Frosty」がいいかな。まぁ、「Tremble」なんてのもシャープでかっちょよいけど。うん、ブルースで夏を楽しむにはこういうのも良いか。

Clarence Gatemouth Brown - Alright Again!

Alright Again! 数年前にアメリカのニューオリンズを駆け巡って多大なる被害を与えた台風カトリーナ。記憶にある人もまだ多いと思うんだけど、ニューオリンズって言ったら有象無象のミュージシャンがたむろしている所でドクター・ジョンなんかが有名なんだけど、ブルースメンも結構その辺に住まいを構えている人も多かったらしい。もっとも台風で飛ばされてしまうなんていうマヌケはそうそういないと思うんだけど、この災害により住居を異動しなければならなかった人は多く、ミュージシャンなんかだったら器材とかもやっぱり水没したりしたんだろうか。などと気になることもあるんだけど、クラレンス・ゲイトマウス・ブラウンというミュージシャンもこの時に生まれ故郷のテキサスに戻ったらしいが、その後すぐに自宅で死去。肺ガンやら何やらとあちこちガタが来ていたらしいが、享年81歳ならまぁ本望かと。

 1981年リリースの「Alright Again!」。グラミー賞受賞作品ということらしいが、まぁ、そんなのは置いといても実に味わい深いアルバムでして、ブルースっつうのではなくって、もっとルーツ・オブ・アメリカな音楽がてんこ盛り。この人の本業は多分ギターだと思うんだけど、フィドルも器用に弾きこなすし、その他の楽器も手を付けていて正にミュージシャンというデカい黒人。珍しい人で、才能あったんだろうな。ギターフレーズ聴いててもブルースに根ざしてはいるけどどこかフレーズが面白いし、そもそも音色がペケペケなのでテキサスブルースメンらしい音じゃない。ところがフィドルになると良い音していてとてもバイオリンっつう音じゃないのも楽しめる。ケイジャン風なものからジャジーなもの、そしてブルースに根ざしたモノなどなど一辺倒にならない音楽性は彼の財産だ。

 ミュージシャンとしてのデビューは1945年で初アルバムをリリースしたのが72年?ヘンな人っつうかよくそれで生きながらえているものだと思うが、根っからのミュージシャンなんだろう。そういう下積みの長さからあらゆる楽器に精通したんだということか。このアルバム「Alright Again!」では初っ端からゴージャスとはちょっと違うホーンセクションによるご機嫌なナンバーが奏でられ、ペケペケギターが炸裂。う〜ん、ゴキゲンな音でまたまた多様な音楽を聴きたくなってくるサウンド。

Johnny Guitar Watson - Ain't That a Bitch

Superman Lover: The Ultimate Collection  ブルースとジャズの接近というのは様々な所で聴いたり見たりすることが出来て、根っこが一緒なんだなぁとつくづく思うんだけど、同じ黒人特有のサウンドってことは認識していたものの、全く関連性を意識しなかったのがいわゆるファンク。ファンクとブルースの接近というか融合というか合いの子と言うか…、もちろんあってもおかしくないんだけど実際に聴いてみるとそれはどこまでブルースなんだ?という気もする。しかし、一応世間的にはファンクなブルースとして名が通っている人がいて、多分瞬間瞬間で鳴らされるギターの音が非常〜にブルースだからだろうと思う。が、これはどう聴いてもファンクの部類に入る音だよなぁ…という人がジョニー・ギター・ワトソン。だからこそ多分名前の間に「ギター」を入れているんじゃないかと。

 ホントはライブ盤を紹介したかったけどアマゾンにないので、とりあえずベスト編集「Superman Lover: The Ultimate Collection」を挙げておこうかな。ライブDVDなら入手できるらしいので、それもジャケ出しておくとして、とにかく派手な人です。この人ほど多様性に満ちたブルースメンというかファンク野郎ってのもなかなかいないでしょう。「Ain't That a Bitch」(なんつうタイトル…)からしてみても思い切りファンクで、パーラメントみたいなもんでさ、見た目もP-Funkみたいにとにかく派手。ブルースメンの派手さとはちょっと違う、ファンク系の派手さ。ところが「Doing Wrong Woman」なんてのを聴いたりするととんでもなくヘヴィーで切ないギンギンギターが泣いているブルースを奏でてくれるという人で、このギターの腕前がファンクだけをやるには勿体なかったっつうとこだろう。多用なアプローチを試みる素晴らしいミュージシャン魂溢れるブルースメンなのだ。

 ジョニー・ギター・ワトソンという人は、1996年5月にブルースカーニバルを開催した時の来日ミュージシャンだったんだけど、東京2公演を残したままその前の横浜公演の一曲目にてライブ中に心筋梗塞で倒れてしまいそのまま天命を全うしてしまったという、ある意味本望だったとは思うんだけど、日本人からしてみると非常に印象深いブルースメンなのだ。当時まだ61歳だったというからブルースメンにしては少々若目かもしれないが、立派に独自の世界を築き上げたブルースメン…っつうかファンク野郎、ってとこだ。こういう解釈によるブルースとファンクってのもあるんだなぁとつくづく思う人です。

Lightnin' Hopkins - Mojo Hand

モージョ・ハンド(コンプリート・セッション)(紙ジャケット仕様)  テキサス野郎のブルースってのはホントに粋だ。気取ったところがなく思い切りハジけて好きに弾いているから聴いていても心地良いのかな。ロック好きには一番取っ付きやすいブルースの世界だと思うんだよね。ツェッペリンとかクラプトン、ストーンズあたりからブルースに遡っていく人はどういうワケか自然にロバジョンに行き着いてしまって、ちと困ったことになる。もちろんそれにハマり込める人は良いんだけど、何か違うなぁ〜となる人も多いんじゃない?自分的にもやっぱりモダンブルースってのは聴かないワケじゃないけど何度も聴くというのとは違ったんだよね。んで、あれこれ聴いていていつしかい気に入って残ってるのがテキサスブルース。最初はエレキ系のだったけど、そのうちアコギ系の人達でもテキサスのブルースメンは面白いと気付くのだな。

 「モージョ・ハンド」。1962年のアルバム、かな。ライトニン・ホプキンスの名盤と呼ばれて、これはオリジナルアルバムのまま今でも普通に手に入る作品で、基本アコギ一本と歌のみというシンプルなブルース…っつうかライトニン・ホプキンスそのままが出ているアルバムなんだと思う。この人も別にギターが巧いとか歌が上手いとかじゃなくって、味があるんだよ。ブルースってそういうモンだから細かいことに拘らないで良さを感じられるもので、ギタリスト的にはいくらコピーしてもできない領域の人。クラプトン聴いててもやっぱ違うな〜と思うんだから素人じゃ難しいだろうね。

 うん、ご機嫌な「Mojo Hand」から凄く質素な音色で攻め立ててくるアルバムなんだけど、溜まらなく美しい…っていう言い方はヘンだけど、何かそう思った。ベースやピアノやドラムなんてのも入ってるんだけど、ライトニン・ホプキンス一人舞台に仕上がってて凄く美しい音の編成なんだよ。音楽的に云々なんてよくわかんないけど、多分凄く人間的で自然だからだろうね。ここの所うるさいのをよく聴いていたのでこういう自然な音色の作品にほっとしているんだと思うけど(笑)。ライトニンなんて名前だけ見ると凄くうるさいギター弾きそうなんだけどそんなこともなくて、味のある歌とギターで生身の音。

 以前は9曲入りのアルバムだったんだけど最近では倍の18曲入りのCD「モージョ・ハンド(コンプリート・セッション)」が発売されていてせっかくなのでこのボーナストラック付きCDを楽しむ方がいい。ちなみにこの人そのものを表している「テキサス・ブルースマン」というタイトル通りの作品もよろしい♪

T-Bone Walker - The Complete Imperial Recordings: 1950-1954

The Complete Imperial Recordings: 1950-1954 ブルースと呼ばれるジャンルの中でも結構細分化された区分けが存在することはもう以前に書いたような気もするし、あちこちで見られるので大して詳しく書くこともないんだろうけど、まぁ、簡単に言えばテキサス・ブルースはそれ自体がひとつのカテゴリーであって、あとはモダンブルースとかアーバンブルースとか戦前ブルースとかあるけど、うん、便宜上で知っておけばよいことで。それでだ、ブルースとジャズっつうのは凄く似通っているなぁとよく思うんだけど、そりゃ根元が一緒だから似てる雰囲気あるに決まってて、どっちも抑圧された中から自分の苦悩を元に楽器で表現した音楽で、楽器の種類こそ違えど魂同じだからね、そうなるワケさ。どっちも基本的には堕落しきった生活がベースになっていたみたいだし。

 それで、ジャンプブルースっつうのがあってね、いわゆるジャズのスウィングみたいなリズムっつうか雰囲気でギターを掻き鳴らすっつう世界。ジャイヴってな感じとも言うかな。その代表がTボーン・ウォーカー。一番有名なのは「モダン・ブルース・ギターの父」っつうアルバムで、それはもう後の…、うん、この人40年代から活躍してた人なので後のテキサスブルース野郎やモダンブルースメン達にも多大な影響を与えていたくらい古い人。そんで50年代になるとインペリアルというレーベルに移って正にジャイブブルースっつうかジャンプブルースっつう世界を確立していく。それがまたブルースなのかジャズなのかって感じだけど、やっぱりギターも歌もブルースの世界で、この人の場合はバンド形式でそのスタイルを貫いている。歌も優しい感じで無骨な部分はあまり感じないし、やはり後にモダンな要素に変化していく雰囲気は既に持っている。ロバジョンとかの粗雑なブルースよりもおしゃれっつうのかな。そんな感じ。

 で、今回はその後のインペリアル時代の作品集を久々に聴いたので、「The Complete Imperial Recordings: 1950-1954」でいいかな。有名な曲はもちろん「Stormy Monday Blues」で、ブルースの定番曲になってるヤツね。それと面白いのはいくつかの曲に自分の名「Tボーン」が付いている。「Tボーン・シャッフル」とか「Tボーン・ブルース」とか。自信の表れなんだろうな。しかしこの人もいくつも楽曲があって何が何だかわかんないけどとりあえずキャピトル時代の作品とインペリアル時代の作品を集めておけばなんとなくわかるんじゃないかな。結構CDも出てるし、入手しやすいっつうのは人気があるってことだろう。